1月ネットワーク工程管理技術研修の後日談

 当たり前ですが、企業研修は仕事に役立つ(と会社が考える)内容を行います。新築現場での長時間労働も工程管理に関する理論武装不足に起因しており、その帰結として末端下請業者は工事請負契約の内容にかかわらず「現場で言われたことを言われた通りに何でも作業する」ことが当然視され、果てはこれが身分制度的な上限関係に発展しているように感じられます。この点において、「勉強ができないから3K現場労務者」という偏見は、残念ながら否定できない一面があるのかも知れません。昨夏この現実に直面し、ここから根本的に脱する必要性を痛感し、当社で不足する現場マネジメント能力を獲得するための知識、技能、マインドを学ぶために予算を確保し、実施しました。しかしながら、「職人(気質を持つ人)」にとっては、機器取扱いをメインとしたメーカー施工研修や、法定の技能講習および特別教育などには意欲的に取り組めても、机上研修には「頭でっかちの余計なお世話」と反発されることも、正直多々あります。中でも、職責制度制定時に初代管理職に立候補した勤続34年のベテランは、管理職研修を「罰ゲーム」としてとらえ、自分ばかりいじめられていると落ち込み、今年自ら降格しました。
 今回のネットワーク工程管理研修では、講師は「現場の段取りのみならず人生全てに応用できる」「(工事が長年携わった)海外プラント工事では、事前に工程(見通し)と対価を示さない限り人は動かない」ことを力説していました。とは言え、いくら有用性や作成手法の解説を受けても、自分で手を動かさない限り体得はできません。よく「復習が大事」と言われますが、実際になかなかできるものではありません。学生時代は定期テスト対策で一夜漬けの復習に追われた記憶もあるでしょうが、社会人になると資格試験の受験など必要に迫られるケースもまれです。研修後の社内会議で全員の顔色を見て不安を覚え、とっさに「2022年自分が担当した現場をネットワーク工程図で表現してもらう」と事後課題を発表しました。もちろんタダとは言いません。最優秀10万、次点5万、参加賞5,000円の賞金付き。締切は1か月後です!
 最終的に、受講者の丁度半数から提出がありました。優秀賞の選定は、研修を担当したポリテクセンター丸山講師にお願いしました。厚かましくも無料のアフターサービスをお願いする形になりましたが、ご快諾いただきました。

ポリテクセンター賞 選考中

ポリテクセンター賞 選考中

 それぞれの作品に対しにコメントをもらいましたが、共通して
 ①作業の中に並行してできるものを見つける
 ②手待ち時間を極小化する
とアドバイスをいただきました。
 このような過程を経て優秀作品が選定されましたが、せっかくなので賞状も贈呈します。最優秀賞には講師の名前を冠にいただきました。
賞状 大人になってもラう機会は少ない?

賞状 大人になってもラう機会は少ない?

 とはいえ、このようなイベントは年功序列意識の中で派手に称えるのも差し支えるようなので、賞金は給与と共に振込とし、賞状も給与明細に同封としました。
 今月の給与明細封筒が角2号A4判だったら、いいモノが入ってます。