時は昨年6月に遡りますが、、
 28年ぶりに高校新卒社員が入社し、コロナ禍緊急事態宣言でスケジュールが二転三転しながらも助成金を活用して新人研修を行う中で、早くも次年度に向けたハローワーク作成の「学校台帳」が届きました。
ハローワーク作成「学校台帳」
当社と私にとって「新卒採用」という新しい年間サイクルの始まりです。採用手続きの流れも昨年教えていただき、本格的に「初めてのリクルート」を行います。

 高校新卒採用は、未成年者が雇用契約の当事者になることもあり、学校が全ての窓口になります。ハローワーク(公共職業安定所)で専用の求人票を作成してもらい、学校への配布開始日は7月1日に一斉解禁。まずは新入社員の母校に昨年の御礼方々訪問しようと思いましたが、今年はコロナ禍で郵送受付のみとのこと。そこで県内の工業高校、次に当社工事担当者の出身校、せっかくなので私が高校時代に水球部があった高校もアポを取り巡礼してみました。県内高校水球チームは、私の在籍当時である平成初期には22校ありましたが、今年度新人戦出場校は約半数の12校(合同チームあり)。ちなみに当時も今もこれで全国最多です。訪問時にプールを覗いてきましたが、現在は学校体育で水泳授業は行われないとのことで、水球部の活動休止と同時にプールも使用中止され、朽ちた防火水槽と化していました。
 さて、各校ではそれぞれ進路指導の先生方に丁寧にご対応いただきましたが、工業高校はコロナ禍ながら業種規模問わずあらゆる企業から引く手あまたで、求人票も1人当たり10社以上届くとのこと。さらに、電気系学科でも電気工事業への就職は「クラスで1人いるかどうか(当社新人談)」とのことで、当然ながらまずは大手上場企業に目が行きます。その中で小規模下請工事業者の当社を就職先として選択することは、我ながら考えづらいのが正直なところです。一方、普通科は基本的に進学希望が多く、就職も縁故採用が主になるとのことで、卒業間際に進路変更が出た場合に希望者が出れば連絡いただけることになりました。私自身を思い返すと、出身校では進路指導というものがあった記憶がなく、3年前に電話工事に伺った際も進路指導室は大学のパンフレットがおかれているだけでした。

 案の定、秋の就職活動期間中に会社見学、採用試験の応募はなく、改めて学校案内をめくってみました。千葉市にはハローワーク千葉、千葉南の2カ所があり、それぞれ近隣市町を含む管内の大学、短大、専門学校、高校、そして中学の校長、進路指導担当教諭の氏名が記されています。我が中3長男の担任教諭の名前もあり、「水球関係の知り合いはいるかな?」と思いページをめくっていくと、中学の校長名に恩師2名の名前を発見しました!

 一人は水泳部顧問で理科担任だった小中台中学篠塚校長先生。もう一人は1年次の副担任で数学担任かつ妹の学級担任でもあった花見川中学佐久間校長先生。当時の記憶が鮮やかによみがえります。確か、お二方とも私の中学入学時に新任でしたが、卒業以来30年以上のご無沙汰。先生側としては毎年多くの生徒に接している中で、自分のことを覚えているかは疑問です。とはいえ、せっかく自営業者として仕事で学校訪問できる立場になったので、思い切って電話をかけてみました。
 すると、お二方とも「おー、覚えているよ!懐かしいなー。確か、千葉高行ったよね!?」と同じ反応。訪問OKとのことで、両方にお邪魔しました。

小中台中学篠塚校長先生

小中台中学篠塚校長先生

 篠塚先生は、訪問に合わせ当時の卒業アルバムをわざわざ自宅からお持ちいただいていました。水泳未経験で顧問になり、初任時の3年生(私の2期先輩)部長にバタフライを習ったことが強烈に印象に残っているそうです。その先輩は千葉南高校で水球を続け、高校でも私と縁あったことなど、校長室で昔話に花が咲きました。また、本題として中卒での就職について伺ったところ、採用は高校よりもさらに遅く1月開始で、実例については「過去に何度かあった」とのこと。求人票も中卒用は手書き作成で「もしご縁があれば」とお願いしてきました。 ちなみに当社取締役の我が母は県内医薬品卸売業の中卒集団就職1期生として15歳で岩手から上京し定時制高校に通っていましたが、それから60年が経った今、郷里での就職活動は「全く記憶にない」とのこと。
花見川中学佐久間校長先生

花見川中学佐久間校長先生

 佐久間先生は、中1の時に印象深い授業がありました。三角形の面積計算について「薄くスライスして四角形をたくさん作り、それを合計することでも面積を計算できる。そしてこれを応用すると、どんな形でも面積計算できる。」これは正に積分計算! 4年後に高2でこれを習ったときに先生の授業を思い出したことを報告したところ、「お、俺も若い時は熱い授業してたんだ」と照れ笑いしていました。また、私自身の中3長男の学習相談に乗っていただき、さらには当時の恩師にもう一人現任の校長先生がいることを教えていただきましたが、私自身は直接授業を受けたことがなく、覚えられていることはないでしょう。機会があれば直撃してみたいと思います。

 このように、色々ありながらも初めてのリクルートは空振りとあきらめていた年明け、生浜高校定時制進路指導の先生から当社に興味を持った生徒がいるとご紹介いただきました。同校の定時制は3年で卒業可能ですが、コロナ禍と部活との関係で就職活動のタイミングを逸したとのこと。卒業試験後に職場見学、採用面接を行い、先日晴れて入社内定。新戦力も徐々に加わり、体制を整えて新年度を迎えられそうです。