8月に採択された小規模事業者持続化補助金の事業期間は、12月31日が最終日。やっと本日完了しました。

 今回、当社は介護電気工事メニューを企業向け福利厚生サービスとして一部リニューアルし、BtoC電気工事としてリブランドしました。補助事業として専門家の協力を仰ぎましたが、事業承継後5年間の個人的な思い入れもあり、自社でこれを行うことがどれほど困難かを思い知りました。

 事業承継直後、当社は一社からの売上比率99%で、業績は元請からの発注量次第の風任せ。そこで社長を務める父の仕事は、支給資材の検品と掃除が専らの「倉庫番」でした。20世紀末は黎明期の住宅向け太陽光発電事業に情熱を注いでいたようですが、時代が早すぎたのか取引先だった三洋電機と共に同事業から撤退。それから程なくして、父が右腕として頼りにしていた勤続20年の番頭が独立し、そこで父の時間が止まってしまったのかもしれません。という母の愚痴を聞きながら私は着任しましたが、それと同時に、当社で唯一他の工事を請け負っていた一般電気工事担当が、顧客を連れて独立していきました。

 父の介護で母が手を取られる中で、倉庫番の仕事を覚えるところから私の当社人生が始まりました。このまま「職業=父の息子」で仕事人生が終わると思うと、目の前が真っ暗になりました。「何とかしないと」という焦りの中、下請電気工事屋が新規事業として何ができる?と暗中模索する日々が続きました。そこでひねり出したのが、前回の補助金採択事業である「介護電気工事」です。

 コンセプトは評価をいただき、採択されました。また、これをネタにした講演を頼まれたこともありました。しかしながら「これが当社で本当にしたかったことか?」と聞かれると、正直自信がありませんでした。
 その間、会社は一社下請から多様化していきました。一時期主力だった高齢者向け見守りサービスも普及が一巡し、商売としてはコモディティ化していきました。その中で、ビルなどの本格的な新築電気工事に進出した担当からは「会社のイチ推しが介護電気工事?と誤解されるので、ホームページの内容を変えてほしい」と要望を受けていました。

 そんなある日、企業向け福利厚生サービス「リロクラブ」の代理店を名乗るITサービス会社から営業を受けました。曰く「自社SEOサービスを2年間利用すれば、介護電気工事をリロクラブに無料で掲載できます。」 話自体は眉唾な感じがしましたが、これをきっかけにリロクラブ社様に直接アクセスすることができ、そこで改めて企業向け福利厚生サービス内容を伺い、同社と直接契約することとなりました。

 ところが、いざ掲載内容を考えても、当社には一般向けの電気工事メニューがありません。そのためコンテンツ制作もままならず、「せっかくここまで来たのに」と挫折しかけた時に、今回の小規模事業者持続化補助金の募集期間が到来しました。そこで旧知のブランディングの専門家であるアールズネットワークの坂見さんに依頼し、当社でBtoC事業を行うための協力を求めました。
 坂見さんは、私の中小企業診断士デビュー当時から15年来の恩人です。ニコニコレンタカーの創業者として名高いですが、起業前にそのビジネスコンセプトを居酒屋で聞いた時の興奮は、今でも忘れられません。さらに、本業のブランディングノウハウを活かして、ニコニコレンタカーは一気に全国区の知名度を獲得しました。その経歴を持つ彼の目から、当社と介護電気工事、そして家業を継いだ自分は、今どのように見え、今後どのように見せていくべきか、相談に乗ってもらいました。

 併せて、HP開設から4年間で広がった当社の事業内容を整理しました。実績の多くは下請工事のため広くご紹介することはままなりませんが、一般電気工事の事例として掲載をご快諾いただいた施工実績とともに、当社の新たな工事メニューをご案内しています。

今後当サイトをますます充実させていきます。お楽しみに!