前回からの続き
10月29日(土)
朝、ゆっくり起きて駅前のホテルを出発し、府中駅から当駅始発4両編成の福塩線電車に乗ります。福山駅まで昨日とは打って変わって都市近郊の街並みが続きます。福山駅からは今治駅行き高速バス「しまなみライナー」に乗車しますが、本日はサイクリングしまなみ2022に伴う交通規制で特別ダイヤです。車両点検などの参加手続きも前日に行われるため、まずは駅前の自転車店で予約した自転車をレンタルします。全国からサイクリストが集まる一大イベントですが、私のようにレンタサイクルを利用するライトユーザーも多数いるようで、スポーツサイクル車の確保に苦労しました。サドルを合わせ、ヘルメットなど装備品を借りて、いざ出発!
ところが、ここでトラブル発生!! バスの中にスマートフォンを忘れたことに気付きました。不詳私「特技は忘れ物」レベルの常習者です。今回の旅行中でもペットポトルに汲んだ地元の名水など細かい忘れ物が発生していました。思い返せば生まれてこの方、財布も通算軽く10回以上は落しています。それでも全く出てこなかったのは1回だけ、現金を抜かれて発見されたことも2回しかありません。「日々徳を積むことで落とし物が返ってくる。人生それ以上を望まない」が信条ですが、今回もバスの運転手さんに見つけていただき、わざわざ車庫からバスターミナルまで届けていただきました。
気を取り直して、受付会場である近くの今治市役所に向かいます。メイン会場では多数のブースが出店しています。自転車関連ではパーツやグッズの展示即売に加え、フレームメーカーの「車体洗車サービス」が目を引き長蛇の列ができていました。
他にもドローンやキャンピングカーなどの「乗りもの」、全国から集う柑橘系JA(全農)などに人が集まり、まさに一大イベントです。私は明日使うグローブを買い、レンタサイクルの車検を受け、ゼッケンなど配布物を受け取り、防寒着などゴールで受け取る荷物を預け、宿に向かいました。当然ながら本日は宿の確保にも苦労し市外遠方での宿泊も覚悟しましたが、何とか出発地点に近いビジネスホテルつよしに予約が取れました。普段はお遍路さんも多いとのことで、自転車で行くことを告げると歓待していただきました。荷物を置き、出発地点を下見して、本日は早く寝ます。
10月30日(日)
いよいよ、イベント当日です。ここでも「自転車のカギ」「ヘルメット」「グローブ」「マスク」など忘れ物で何度か引き返しているうちに駅コインロッカーに行く時間がなくなり、宿で荷物を預かってもらうことになりました。
集合場所は今治インター、しまなみ海道(西瀬戸自動車道)は本日午前中通行止です。「サイクリングしまなみ」ではA~Hの8コースが設定されていますが、その内C~Gの5コースがここからスタートで、合計4700台の自転車が順次集合、出発します。最長のDコースは尾道まで往復140km走りますが、私が参加するGコースは途中渡船を挟み弓削島に至る80kmで、最後の出発です。集合場所から出発待ちの自転車が2km程連なる中、単独参加の男性2名に声をかけていただき、一緒に走ることとなりました。
初めて高速道路を自転車で走りましたが勾配も緩やかで快適そのもの、40~50km/hで走行します。道中、今回ご招待いただいたプロテック社の防犯カメラ安視ん君があるはずですが、全く気付きませんでした。
また、途中何カ所かエイドステーションがあり、レモンケーキなど地元の名産がふるまわれます。休憩しながら同行の方に話を聞くと、鹿児島で電気工事を営む同業者でした。職人は年中多忙で休みがないイメージがありますが、その気になればこのように自分で仕事をコントロールできます。鹿児島と言えば父の出身地でもあり、当地での再会を約束して再び自転車へ乗り、弓削島のゴールには14時半すぎに到着しました。
ゴールからは事前予約した臨時チャーター便で今治に戻りますが、ピストン輸送のため到着順に直ちに乗船となりました。甲板上でお互いの健闘を称え、今治港でお別れです。
本日の宿は、足を延ばして岡山の倉敷アイビースクエアを予約しました。紡績工場の建物再生利用事例として有名ですが、「全国旅行支援」の割引が効くこの機会を利用して投宿です。とはいえ、今治から岡山経由で倉敷まで思いの外遠く、到着は午後10時を過ぎてしまいました。瀬戸内海一周の旅ですが、景色を楽しむことは叶いませんでした。
10月31日(月)
最終日は「サイクリングしまなみ2022」にご招待いただいた株式会社プロテックの本社を訪ねます。アイビースクエアから倉敷駅まで倉敷美観地区を抜けて徒歩10分強。そこから山陽線各駅停車で東福山駅まで向かいます。ここで同行する当社安視ん君担当の皆川さんと合流しました。皆川さんは寝台特急「サンライズ」で岡山入り。旅程は「珍しい」のリクエストに応え私が提案しましたが、母からは呆れられました。駅からは徒歩10分程で本社に到着、安視ん君がお出迎えです。
プロテック社では第一営業部長にお出迎えいただきました。事前に伺ってはいましたが、同社地元広島での本業は電気工事。当社とは規模が違うものの、同業者としての課題は驚くほど似ていました。防犯カメラの設置工事を請け負う中で、顧客から要望に応じるべく自らメーカーに進出したそうです。当初は製造と営業に特化してスタートしたものの、顧客要望に応じ品質管理など順次機能を拡充し、近年はユーザーサポートにも力を入れているとのこと。そこで当社のような同業者と取引先としての関係ができたことも大きな財産だそうです。当社も今年前半には千葉市新規事業開発支援事業で種々検討しましたが、具現化には至りませんでした。以前プロテック社長のお話を聞き、創業オーナー社長の持つ「やりたいことをやる」パワーに圧倒され、これをロールモデルとして新規事業進出と意気込んでいましたが、今思うと「手段の目的化」に陥っていたような気がします。私にとって、当社で情熱を注げるものを見つけるまでが事業承継なのでしょう。
ご挨拶後、せっかくなので広島市内まで足を延ばして原爆ドームなどを見学し、新幹線で帰路につきました。
明日からまた仕事です。
【追記】プロテックさん公式動画公開
プロテックさんの公式youtubeチャンネルで、サイクリングしまなみ2022の動画が公開されました!