千葉ポートアリーナは、千葉市中央区問屋町にある千葉市立のスポーツ施設です。地名の通り当地は元々卸売市場でしたが、私が生まれる以前に美浜区高浜の現在地に移転し、その跡地にホテル、オフィス、フィットネスクラブ、商業施設併設の再開発複合施設ポートスクエアとして30年ほど前に建設されました。そのメイン施設となるポートアリーナ体育イベントや式典などにも使用され、私の代から千葉市成人式の会場としても使われています。当時大学1年生で都内に独り暮らし。小中学校の同級生と再会し、初めて「帰省した我が故郷」を実感しました。一方、商業施設としては最寄りの京成千葉中央駅や千葉都市モノレール市役所前駅からも徒歩10分程と立地に難があり、苦戦が続いているようです。ホテルもブランドチェンジが続き、一時期は私の前職クリードが開発したカンデオホテルの看板が上がりましたが、わずか3年ほどで撤退しました。周囲は長らく閑散とした問屋街でしたが、近年マンションが林立し、また今年メインテナントとしてドン・キホーテが出店する等、雰囲気も変わってきました。
さて、ポートアリーナではパラスポーツの誘致に力を入れています。車いすラグビーは国際大会が度々開催され、パラリンピック予選も行われました。
また、近年はゴールボールも行われています。ロンドンパラリンピックで日本女子チームが優勝したときは、団体球技の金メダルは76年バレーボール以来とニュースになりましたが、全く見る機会がありませんでした。実際に見ると、ルールも明快で運動量もありクラス分けもなく健常者も参加できる、個人的に最もパラスポーツらしい球技と思います。
東京パラリンピック前には体験イベントに当時小学生だった次男とその友達を連れて参加しました。この主催は電通で、偶然にも同社に勤める東工大社会工学科中井研究室の後輩が担当し会場で声を掛けられました。不透明な取引が事後問題となっていますが、パラスポーツに親しみを持つという趣旨に合致した良いイベントでした。加えて、同じマイナースポーツである水球経験者として競技の面白さを体感できたのは望外でした。
なお、現在ポートアリーナはプロバスケットボールチームアルティーリ千葉のホームアリーナとしても知名度を上げています。 2022-23シーズンはB2プレーオフ準決勝で敗れ、チームが掲げていた「設立から最速2023年でのB1昇格」は残念ながら叶いませんでしたが、先行する強豪千葉ジェッツふなばしとともに盛り上げてほしいと思います。
そんな千葉ポートアリーナから、数か月前に特急のカメラ工事の話が舞い込みました。依頼元は千葉市スポーツ振興課。現在設置のカメラは30年前新築当時のアナログ方式で、ホールなど一部が故障したので至急交換したいとのこと。本来は録画装置などすべての機器を全面的にデジタル方式の最新型に更新するべき案件で、通常は前年度に予算を計上し、大手カメラメーカーなどが入札に参加する規模です。しかしながら、今回は7月26日までの完成が絶対条件で、それでは工期的にも予算的にも難しいとのこと。何やら特段の事情があるようです。ともあれ、当社としては予算も含めお客様の要望に応えるのが第一。現在設置のメーカーではすでに製造中止で後継機もなかったため、他メーカーで互換性、納期、値段を調べて入札に臨みました。
そして無事落札。月1回の休館日に合わせて工事を行います。1日で完了させるべく配線も従前のものをそのまま使うため、伝送する信号の変換が必要です。
そしてモニタを繋ぎ、画角やピントを調整して完了。モニタの色がピンク一色になっていますが、これは機械の再起動で正常に戻りました。このように、設置後しばらく経ったお客様から「映らなくなった」というお問い合わせを時々いただきますが、ほとんどの場合「配線が外れていませんか?確認してみてください」「一度電源を入れ直してみてください」で復旧します。
そして絶対条件とされていた工期もしっかり守り、無事終了。何かイベントがあるとのことで担当氏は言葉を濁していたので極秘裏にG7分科会でも開催されるのかと思っていましたが、タネ明かしはしっかり館内に掲示されていました。
防犯カメラは「いざというとき」に確認するものですが、その時故障していたため肝心の場面が録画されていない、という残念なあるあるがよく発生しています。恥ずかしながら、当社でも施工練習を兼ねて設置した旧型防犯カメラの録画媒体交換を怠ったタイミングで不法投棄が行われたこともありました。
カメラ設置者の皆さま、機械は残念ながら必ず壊れます。それでも不心得者に対する威嚇効果はありますが、たまには思い出してモニタリングや録画など本来の目的を果たしているか確認してください。それも面倒な場合、当社が保守を承ります。