過日ご報告の通り、当社は人材確保等支援助成金(人事評価等改善助成コース)の認定を受け、その支給申請を千葉労働局に行いましたが、同局よる審査過程において、時間外手当についての計算の一部に誤りがあるとして以下の指摘をいただきました。
 1.一部の手当(資格手当、主任手当)について、割増賃金の算定基礎単価に算入すべきである
 2.当社の就業規則において所定勤務時間が週40時間を超過する第4,5土曜日出勤分は、割増賃金を支払うべきである。

 調査の結果、上記1.については、当社は事業承継以前から継続して誤認識をしていたことが判明いたしました。また2.については、当社就業規則は事業承継後に年間休日105日の実現など働き方改革を目的として労務専門弁護士に委託して全面改定したものですが、これに際し、当社が主体となり「職場意識改善助成金」利用のために当局の審査を受け、認定後の手続きは弊社顧問社会保険労務士に委任しました。しかしながら、この意思疎通に齟齬が生じ、正しくは別途「1年間の変形労働制」を導入し、労働協約を締結すべきものでした。

 今回の当局指導はこれらについて遡及支払いを求めるものではありませんでしたが、当社は臨時全社会議を開きこれを全社員にむけ顛末を説明、謝罪いたしました。そのうえで、1.については「従業員が本来受け取るべき賃金」であることから、本年4月民法改正前に基づく消滅時効期間の考えを援用し2年分を遡及支払い、2.については手続き瑕疵によるものであることから定期昇給前後の2か月分を支払うことといたしました。

 これに伴う支払のうち、過年度対象分1,947千円を特別損失として計上いたします。弊社規模を鑑みるに当期損益に与える影響は軽微とは言えませんが、創業以来蓄積した内部留保に加え、当期は第一四半期に交番監視カメラ設置工事(東葛方面)による工事収益も計上したことから、これを充当することで対応いたします。なお、参考まで弊社43期末(2020年5月末日)時点の貸借対照表については添付の通りであり、引き続き良好な財務状態であると考えております。

 当社としては、今後とも「間違いに気づいたら、確かめる、認める、謝る、正す、償う」という小規模企業の身の丈に応じたシンプルなコンプライアンス指針と、これを実現できるだけの財務体質および事業基盤の確立に向けて、誠実に会社経営を続けていく所存です。
 今後ともご指導ご鞭撻の程、よろしくお願い申し上げます。

10月21日追記

 千葉労働局長より、10月15日付で人材確保等支援助成金(人事評価等改善助成コース)制度整備助成支給決定通知をいただきました。
 当社が新たに導入した人事制度について、上記の指摘への対応を経て、弊社人事制度を適正に整備したとの認証をいただきました。弊社工事担当者の士気も上がっています。今後ともご愛顧の程、よろしくお願い申し上げます。

支給決定通知

支給決定通知