昨月、この場で台風15号による近隣の風被害を報告いたしましたが、時を置かずに今度は台風20号から変わった温帯低気圧による大雨に見舞われました。

 ニュースによると、千葉では「半日で1か月分の集中豪雨」があったとのことです。千葉市緑区に事務所を移転して今年で30年、当時から勤務するベテラン担当者も母も「ここまでの豪雨は初めて」とのことでした。いつもは1日8本の時刻表に合わせてバスで帰る経理担当の嫁も、最寄り駅の電車も止まっていたこともありこの日は断念、自宅まで送ろうと車を出すと、高速道路が全面通行止めで一般道も大渋滞。裏道は冠水し、おそるおそる抜けて行きました。
 事務所自体は台地の微高地にあり浸水等の被害はありませんでしたが、隣町の市境ではがけ崩れで犠牲者も出てしまいました。

 夕方過ぎに雨が止みましたが、大変なのはその後でした。事務所に戻ろうとしても、事務所手前500mの県道交差点から全く動きません。1時間経ちやっと事務所への脇道入口までたどり着きましたが、前方に目を疑う光景が広がっていました。森の中でトラックがUターンに失敗して横になり道を完全にふさいでいました。それを見て1台ずつ突破を諦めてUターンしていました。自主的に誘導を行っていた大通りの自動車整備工場から警察に連絡したそうですが、人の手配が付かないとのことでしばらくの間グリッドロック状態が続きました。
 何とか事務所に戻りましたが、降った雨が道路に集まり水路状態。抜け道を探す車が次々に事務所前を通りすぎ、バックで戻ってきます。冠水の水深は数㎝から車が水没するまでさまざまですが、それとは関係なしに徐行する車、水しぶきを上げて一気に駆け抜ける車、様々です。長靴に履き替えて付近を確認したところ、事務所前十字路から2方向にエンジンが止まったトラックが道をふさいでいるのが見えました。

トラック水没

トラック水没


 当日は全工事担当者に事務所前通行止めの連絡と直帰指示を出しました。一部は翌日工事に使用する資材と作業車が事務所にあるということで、途中で待ち合わせて車と資材を渡し、私はそこから電車で帰りました。

 翌日、自分の車を取りに行こうとバスの運行状況を確認したところ、通行止めにより運休とのこと。

冠水通行止めにより迂回運転

冠水通行止めにより迂回運転


 せっかくの機会なので、最寄駅から歩くことにしました。思い起こせば東日本大震災の時は当時の勤務先である東京浜松町から千葉まで37kmを7時間半かけて歩きました。今回は3km、30分ほどで難なく到着しましたが、途中杉林の崖線が一部崩落し、地主さんがトラックを出して土砂をかき出していました。

 事務所に着いて昨日の水没現場を確認したところ、まだ水も引かず、トラックも放置されたままでした。

水没トラック車

水没トラック車

水没箇所は地形図では川に連なる谷筋で、水が出やすい土地のようです。近所に古くからいる大工さんの話では、バブルのミニ開発で湿地を埋め立てたとのことで、改めて地歴調査の重要性を思い知らされます。
 中でも、大通りとの出入り口は、しばしば水たまりとなるところですが、昨夜確認したトラックに加え、乗用車がもう1台止まっていました。
乗用車から脱出

乗用車は運転席から脱出

奥のトラックが昨日水没していたことや付近の水の跡を鑑みると、この乗用車は完全に水没していたようで、脱出のためか運転席の窓ガラスが割られていました。この車は昨夜は確認できませんでしたが、上記の道をふさいでいたトラックの撤去後に突っ込んだのでしょうか。

 ニュース映像で見たものが、目の前に繰り広げられています。いつ自分の身に降りかかってきても全く不思議ではありません。とは言え、今回も自分に被害はなく、まだどこか他人事のような気もします。「次は自分の番」であることを覚悟しつつ、いざ被害に遭ったら、、、災害大国日本に生まれた者として、素直に受け入れるしかないですね。。