GW10連休も終わり、一気に暑くなってきました。
 10連休についてはそれぞれの立場から賛否両論ありました。当社も下請工事屋として日々の売上は欲しいところではありますが、ありがたいことに最近は防犯カメラレンタル等の固定収入もあります。ここは気分一新で全員10連休! と行きたいところでしたが、GW明け開店の店舗工事が入り、担当者は令和の仕事始めが2日前倒しとなりました。

 さて、これからいよいよ梅雨入り、そして落雷シーズンです。弊社が取り扱う落雷抑制避雷針「PDCE」も、真価を発揮する季節が来ました。
 サラリーマン時代の同僚にPDCEの話をすると、職種により反応は大きく分かれます。
 ショッピングセンターをはじめとする自社物件の管理担当者からは、概ね好意的な反応が寄せられます。やはり、来店されたお客様の事故は絶対に避けなければなりません。特に屋外や屋上にイベントスペースがある場合、所有者として無過失責任が生じかねません。20年前のグランベリーモール開業当時、初代総支配人がモールを行き交うお客様を2階事務室から見ながら、ふと「ここで何かあったら、俺は業務上過失致死で禁固刑なんだな。。」とつぶやいたことが、鮮明に印象に残っています。PDCEについて元同僚からの問合せが多いパターンです。
 他方、不動産投資ファンドのアセットマネージャーは割り切ってます。投資用物件は必ず損害保険に入るため、落雷被害は基本的に全額補償されます。さらに、見舞金等もあるため、現金収支が逆にプラスなることもしばしばです。これに対し、PDCEの設置を資金提供(融資、出資)者に提案する場合、これに見合うだけの利益確保を説明、承認していただかないといけません。「テナント様に対する賃料改定の交渉材料として使えない限り、導入は難しいよね」と言われ、残念ながら納得しました。
 ところが、これがIT屋、特に「インフラ系」と言われる方々となると、話は全く変わります。今日一般化した「クラウド」という言葉は、本来は「雲のようにどこにシステムがあるかは分からない」と意味ですが、その正体は世界中に散在するデータセンターにあります。ここが落雷被害を被ると、センター内の機器は誘導雷により損傷し、データは消失して復旧不能となりかねません。これに対応すべく、コストをかけて複数地域のデータセンターで同一データを所持したり、落雷によるデータ消失被害については契約上「免責」としたりと、各社とも頭を悩ませています。

 当社が今春施工したPDCE事例は、その観点から参考になる事例でした。

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新築データセンター


 当初、依頼を受け元請電気工事業者様に見積を提出したところ、VEにより一旦採用は否決されたようです。同社では自社製品として「落雷対策に有効な避雷設備」をお持ちとのことで、それとの金額比較になった様子でした。
 ところが半年後、改めて前回見積価格から「若干値引き」の条件で発注が来ました。ここから先は想像ですが、施主様は当初からデータセンターにおけるPDCEの「落雷を抑制する」価値を認めていたと思います。そのうえで、他製品と比較して価格差を上回るメリットがあると判断し、PDCEが復活採用されたのでしょう。避雷設備にはPDCEの「落雷を抑制する」タイプの前に、電気的、物理的、化学的に「落雷をより積極的に呼び込む」タイプのものがあります。後者は、直撃雷による人的被害を避けることに重きを置いていますが、データセンターのような精密機器に対する被害は避けられません。
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手前と奥(塔屋)にPDCE-magnum


 ともあれ、広大なデータセンターを守るために保護範囲の広いPDCE-magnumを2基設置。本建物は高さ20m未満であるため建築基準法上は避雷設備が不要ですが、敢えて自主設置されていることからも、施主様の落雷被害に対する意識の高さがうかがえます。元不動産投資アセットマネージャーとしては、この意識は「高く売れる!」と思うのですが、同業者の皆さんはいかがでしょうか?
工事は安全第一

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