年の瀬も押し迫ってきました。
今日は亡き父の誕生日、74歳は迎えられずでした。そして賞与支給日。モチ代程度の些少ではありますが、年末調整還付額を増量してお支払いしています。

 さて、私こと今年6月より千葉市都市計画審議委員に委嘱を受けました。元々大学で都市計画を専攻し、途中までは本職「まちづくり屋さん」だったはずですが、いつの間にか電気工事屋に。しかしながら、都市計画学会長も務めた恩師曰く「それも都市計画、みんな都市計画」。それもそうかと昔取った杵柄をふるうべく都市計画審議会の公募委員に市政だよりを見て応募したところ、見事採用! これから2年間「草の根地域貢献」でまちづくりに寄与する所存です。
 千葉市の公募委員と言えば、4年前の家業承継に合わせて千葉市下水道事業経営委員にもなりましたが、こちらは公共事業としての経営状況(予決算)のチェックが主な内容。公会計独特の表示方法を学びながら中小企業診断士の視点で内容を確認し、不動産投資ファンド経験者としてコンセッション方式導入の可能性を聞いたりしていました。当時の下水道担当(建設局)から現在都市計画担当(都市局)に異動された方とも再開し、年数回ながら再びご一緒できることとなりました。
 そして昨日、初回の審議委員会に出席してまいりました。場所は市役所8階「正庁」、エレベーターに案内が出ています。

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市庁舎内EVホールの案内


下水道事業経営委員会は隣の市議会棟の委員会室だったので、ちょっと面喰いました。考えてみれば、市町村都市計画審議会は都市計画法第77条に定められた法定審議会。委員名簿を見ても、学識経験者や市議会議員など公職の方々が並び、公募委員は3名しかいません。過去の議事録を見ると活発な議論が繰り広げられていましたが、思い付きで発言しても場を荒らす(もしくはスルー?)だけなので、事前の勉強が必要です。

 というわけで、いざ「正庁」へ。今更ながら初めて見る言葉で思わず「 」を付けましたが、辞書によると「正面の大広間、表座敷」の意味とのことで、自分の人生で全く縁がない場所でした。開会前は写真OKとのことで、記念撮影させていただきました。

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都市計画審議委員会 手前は事務局


 下水道事業員よりも厳かな雰囲気で開始。学識経験者から時計回りで順に公募委員まで席が決まり、私は一周回って議長席の隣でした。
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宮下委員

 今回は初回ということで、まずは学識経験者から議長選出。千葉大北原先生が選ばれ議長席に移動し、審議開始です。議題は以下の3つ。
①生産緑地地区の変更
 私が学生として都市計画を学んでいた当時に制定された生産緑地法は、市街化区域内の農地に関する法律です。当時はゾーニングや開発規制の観点から見ていましたが、今の自分の目には都市計画というよりも「農業版の事業承継問題」にしか見えません。電気工事以上に大変そうな市街化区域内農業を廃業する方々に思いを馳せつつ、市議会議員と事務局の方との質疑を聞いていました。
②景観計画の変更
 海浜幕張付近の京葉線沿線にタワーマンションが林立する計画があります。ここを景観形成推進地区に指定し、今後の開発においても良好な都市景観の形成を図ります。ヒューマンスケールおよび街区外とのつながりを重視するとのことですが、20年前の低層アウトレットモール立上げ担当者としては、タワーマンションに住むこと自体が「ヒューマンスケール」と言えるのか、想像が付きません。次の報告事項との兼ね合いもあり、質疑も運営面に行きがちでした。
③千葉市立地適正化計画案(報告)
 少子高齢化に伴い、街の活力低下、空洞化が問題になっています。これに対処すべくコンパクトシティに向けた取り組みが各自治体に求められていますが、千葉市も本日時点で本案を提示の上パブリックコメントを募っています。線引きは「地図に色を塗る」仕事であり、ゲーム「シムシティ」のリアル版と考えると楽しい作業ですが、地権者の権利を直接制限することに直結するため調整に多大なエネルギーを要する一番難しい業務と言えるでしょう。市民の陳情を受ける立場の市議会議員も「総論賛成各論反対になってしまうと、、」とのことで、来月のパブリックコメント終了後の来月にも審議会が開かれるそうです。

というわけで、初回審議会は発言せずに終了。昔取った杵柄を磨いて、使い方を考慮して、次回に備えます。