創業50年。千葉で防犯、電気工事を楽しみ、腕を磨いてきました。これからも確かな技術で安全と安心をお届けします。

落雷抑制型避雷針 PDCE


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雷は止められません。

 子供の頃、静電気で遊んだことはありますか? 下敷きで髪の毛を上げたり、いたずらおもちゃで友達に「ビリッ」とさせたり。これが上空で大規模に行われる自然現象が、雷です。
 上空の雲の中には氷の粒が多数ありますが、対流①により空気中を漂う中で摩擦を受け、静電気が溜まり雷雲が発生②します。静電気にも+(プラス)と-(マイナス)の極性が生じますが、雷雲は上部が+に、下部が-に帯電し、充電された電池のような状態になります。それでは、この静電気はどこに行くでしょうか?

雷雲の静電気の多くは、雲中で放電され、雲がピカピカ光ります。また、上部に放電するもの(スプライト)もあります。そしてその一部、2割程度が地面に到達しますが、これが私たちの目には「落雷」に見えます。
このように、地面と雨雲が電気的につながることにより落雷は発生しますが、この時、通常は電気が流れない空気中を数km飛ぶことになります。そのためには、雷雲だけではなく地面も帯電③し、雷雲④と地面⑤の両方が放電することにより落雷が発生します。
このように、気象現象としての静電気である雷は、科学の力で止めることはできません。

でも、落雷被害は止められます。

 数キロ先の上空から落ちてくる電気は、どこに落ちるかわかりません。とはいえ、被害を避けるために先人は知恵を尽くしてきました。少しでも上空に近く、少しでも電気が通りやすい素材で雷の通り道を作り落雷の標的とする、これが従来型の避雷針です。人の命を守るために300年前に発明されましたが、地面も帯電することが発見されたからは、より雷を落ちやすくするために、先端部の電荷密度を高めるための工夫が重ねられてきました。

ところが、現代は電気を活用する時代です。特に、テレビやインターネットなどの通信設備は微弱な電流を信号として利用しています。ここに落雷の1万アンペアの大電流が流れたら、精密機器はひとたまりもありません。当時は人を守るための避雷針が、財産を破損する凶器になりかねません。
 その問題意識から、発想を逆転して「落雷を招きにくくする」ためにPDCEが発明されました。原理的には、PDCEで電気の極性を反転させて電気的に反発し、雷雲から見てPDCEの周囲に落ちないように誘導します。雷雲の中にとどまった静電気は、時間と共に消えていきます。

もう一つの落雷被害

 落雷被害は、直接上空から受ける直撃雷の他にも発生します。誘導雷は、ワイヤレス充電に応用される誘導電流が強力に発生し、通信線から大電流が侵入してPCやテレビなど通信機器を破損します。また、本来は安全に電気を流すアース(接地)線を通じて、地面に落ちた雷電流が逆流する逆流雷被害も生じます。近年の台風被害で下水道から雨水が逆流する浸水被害が起きますが、この電気版と言えるでしょう。これらを合わせて内部雷と呼びますが、対策としてSPD(Surge Protective Device:避雷器)などの設置が必要になります。

出会いは中小企業診断士として

落雷抑制システムズ(LSS)松本社長との出会いは、2011年でした。当時、私(宮下)は中小企業診断士として、サラリーマン稼業の傍ら求めに応じて執筆やセミナー講師、企業支援などを行っていました。ある日、技術屋OBが集うNPO法人から、創業間もないLSS社の営業支援を頼まれました。具体的には、「鉄道会社にPDCEを提案したい」とのことで、事前にお話を伺いました。
初めてお会いした松本社長の印象は、正に「技術一徹のカミナリオヤジ」。当時、私の元には「東工大卒の中小企業診断士」として新技術の商品化相談が舞い込んできましたが、中にはその原理が高校レベルの物理知識と矛盾し、そこを質問すると回答がないまま相談終了のものもありました。その中で、松本社長は欧州アンドラで発案された落雷抑制の原理を日本に持ち込み、実証実験を重ねPDCEを開発し日本で特許を取得しています。聞くと、PDCEの可能性を信じて大手外資系メーカーを退職し創業したとのこと。その原理と発想は、実家が電気工事屋である私を興奮させるに十分すぎるほどであり、全面的な協力を約束しました。
そしていざ我が古巣の電車会社へ。旧知の先輩を頼りに担当部署を紹介していただきました。すると、その発想と原理に興味を持っていただくも俄かには信じがたい様子で、結論は「十分な実績ができてから、改めてお越し下さい。」
確かに、「落雷自体を抑制することで直撃雷被害を避ける」という常識とは逆の発想は、企業人、特に安全対策の担当者から見ると眉唾に捉えられても仕方ありません。その後も個人的なつながりで、不動産投資ファンドや大手ゼネコンの電気設計や新技術開発部門などにもヒアリングを行いました。避雷針は法律で必要な建築設備ですが、必要最低限で低コストが最優先の付属品。これに対しPDCEがもたらす付加価値の採用には、建築物の企画、投資、設計、施工という各段階において意思決定が必要であり、一筋縄ではいきませんでした。
そのような中でも、松本社長は妥協しません。PDCEは直撃雷対策の商品であり、原理的に誘導雷対策ではありません。商品説明の場では当然これに関する質問も出ます。商売としてはPDCE以外の誘導雷対策と組みわせて提案するところで、生粋の営業マンなら根拠なく「大丈夫です!」と言ってしまうシーンでしょう。ところが、松本社長は「PDCEでは誘導雷は守れません」。誠実ではありますが、落雷被害に詳しくない担当者にはすべての落雷被害に無効との誤解を与えかねません。あまりにもこの質問が多かったのでしょうか、ある時は提案先で冒頭に「PDCEは誘導雷対策商品ではありません」と紹介したこともありました。その実直で頑固な姿勢は、父と重なって映りました。私は隣で聞いていた印象を率直に話し、商品説明の組立を一緒に考えて、次の提案先を紹介する、ということを何度か繰り返しました。

事業承継からは、認定工事店として

 それからしばらくして、父が病に倒れました。最終的に家業の電気工事を継ぐことになりましたが、中小企業診断士として診るまでもなく、一社下請のままでは当社は早晩立ち行かなくなることは明らかでした。父は、黎明期の機械警備工事業界の成長曲線に乗り社業を軌道に乗せました。その基盤の上と制約の中で、自分は当社で何ができるか、真っ先に思い浮かんだのがPDCEでしたPDCEの販売実績は順調に伸びています。落雷被害に悩む様々な場所に採用され、またNETIS(国土交通省新技術情報提供システム)への登録を通じた公共施設への設置実績も重ねています。また、これまで受けた様々な角度から受けた疑問点も整理され、的確な回答が示されています。さらに、松本社長自身もTVバラエティ番組に出演するなど「カミナリオヤジ」としてキャラクターが立っています。私は家業承継時に松本社長に挨拶に伺い、当社もPDCE工事店として新たな関係が始まりました。
 とはいえ、実際に工事を行うためには「商品」に加えて「技術」と「顧客」が必要です。当社は従来屋内工事が多く、避雷設備工事は経験がありません。そこで、松本社長に先行工事業者を紹介いただき、当社担当者が施工現場で修行させていただきました。また、並行して避雷設備にかかるJIS規格や構造計算、さらには等電位などの専門的な知識も身に着けました。設置先については、偶然にも父の代で付き合いのあった内装業者の顧客がPDCEを検討しているとの連絡があり、当社1号案件になるとともに旧縁が復活しました。

そして、新たな関係へ

 その後、当社としても営業、施工実績を重ねてきました。落雷被害、特に直撃雷は人命にかかわります。「地震、雷、火事、親父。」雷被害が気になったら、カミナリオヤジLSS社松本社長とともにコンサルティングから施工まで一貫して対応できる弊社へ、まずはご相談ください。お問い合わせはこちらから。

施工実績写真

銘板作ってもらいました
木造勾配屋根にも対応
新築物件:陸屋根に自立型
金属部分は導線で接続します
地面への接地(アース)が必要です
壁付け型(既設避雷針を交換)
自立型(新設)
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