千葉港。地名としては「ちばみなと」と読み、千葉市役所の所在地です。旧庁舎は私と同い年でしたが昨年建替えられ、当社も電気錠設置工事でこれに関わりました。付近は各種団体などのビルが建ち並ぶ行政地区でしたが、空地も多く近年は老朽化に伴い民間企業などとの入れ替わりが続いています。なお、実際に港があるのはさらに海側、食品コンビナートがある工業地域の「新港」、ポートタワーや観光桟橋ケーズハーバーなどがある「中央港」地区ですが、近年ここは都市計画上の商業地域への指定替えを行うなど、にぎわいの創出を図っています。
 一方、「ちばこう」と呼ぶと港湾を差しますが、これは定義上市川市から袖ヶ浦市までの6市にわたり、港湾の長さ、面積としては日本一だそうです。過去には取扱貨物量も日本一だったこともあるようですが、一般に馴染みがないでしょう。
 ポートタワーの足元にはポートパークがありますが、その目と鼻の先が千葉港千葉中央地区。フェンスで仕切られた税関上の保税倉庫が立ち並び、立入禁止区域が広がります。そしてその一番先端に今回の現場、千葉県中央港信号所があります。
 ここは港の管制塔で、千葉航路を通る船舶にに信号を送ります。さらに建物内には入出港に必要な案内するポートラジオの通信設備があり、運営は株式会社東洋信号通信社様が行っています。24時間常駐で、会話はすべて英語。今回このポートラジオ用のアンテナを増設したいとのことで、PDCEの設置を依頼されました。
 建築基準法第33条では、高さ20m以上の建物には避雷設備を設けることが義務付けられ、有効となる保護範囲はJIS規格で規定されています。当然建物全体を保護する既設の避雷針がありますが、今回新たに設置する通信アンテナはその保護範囲からはみ出てしまうため、新たに避雷設備が必要になったとのことです。落雷を抑制するPDCEの使命を考えると建物全体の避雷針を交換するのがベストですが、今回は新設アンテナだけを守ります。そのため、最も軽量安価なPDCE-babyを採用しました。
 ところで、今回は当社がユーザー様から直接頼まれた元請工事。設計も当社が行います。一番大事なことは、当然ながら避雷針が落下しないこと。海際の高さ30mで全面に受ける風に耐えなければいけません。具体的には「折れない」「抜けない」「外れない」ことを確認するため、PDCEや支持管などの重さ、高さ、太さ、厚さから計算し、専門メーカーに製作を発注します。
 そして当日、梅雨入り直前で早朝まで雨模様でしたが、幸い作業開始時間には止みました。ラフタークレーン屋さんが一気にPDCEが付いたポールを吊り上げます。この間わずか30分足らず。
 これを前日までに据え付けておいた支持金具にボルトで止めて、固定します。

アンテナ工事はこれから

アンテナ工事はこれから


 これに立ち下げ導線を接続し、地面の設置極まで接続したら完成。事前の準備から考えると現場作業は呆気なく終わりました。
 当社の決算は5月末日。期末最後の工事が無事完了しました!