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午前中は、近所の外部会議室で安全衛生、原価管理の社内研修を行いました。
お昼休みを挟んで、午後は資材倉庫に戻って実技研修です。

お題は「あと施工アンカー」です。

 工事を行うためには、様々な実技資格が定められています。
 当社の工事担当者が保有する電気工事士や消防設備士などは、電気工事士法や消防法などの法令に基づく業務独占資格であり、これを持っていないと個人として作業を行うことはできません。
 他方、会社としては一定規模(500万円)以上の工事を行う場合は建設業法に基づく建設業免許が必要となりますが、これは29業種に細分化され、それぞれの現場で技術的な責任者となる主任技術者を置かなければならず、さらに主任技術者が持つべき必要資格(もしくは実務経験)が詳細に決められています。前述の電気工事士や消防設備士はそれぞれ電気工事業、消防施設工事業の資格の対象ですが、なぜか工事担任者は電気通信工事業の対象外となっています。
 また、これとは別に建設業法では現場監督のための国家資格として施工管理技術士がが定められています。現在は建築、土木、造園、電気、管工事、および建設機械の各試験が認定されていますが、2019年度から電気通信工事施工管理技士試験も行われることになったようです。さらに、技術士法に基づく技術士や、職業能力開発訓練法に基づく技能士も多くは主任技術者の対象ですが、電気通信工事に関係がある情報配線施工技能士は対象外。技術士の検定は国、民間の両方が実施していますが、どうやら民間試験は対象外のようです。

 前置きが長くなりましたが、本日行う「あと施工アンカー」は上記のような法的制限はありません。が、3月に行った電話交換機工事にて県庁担当官から「公共建築改修工事標準仕様書には『あと施工アンカー作業における技能者は,あと施工アンカー工事の施工に関する十分な経験と技能を有するものとし,これらを証明する資料を提出し,監督職員の承諾を受ける。』とあるからね。」と指導を受けました。
 調べてみると、あと施工アンカーについては上記の「技能士」をはじめとした国家資格は存在せず、民間資格も一般社団法人日本建築あと施工アンカー協会あと施工アンカー工事協同組合などが独自に実施しており、全国で統一されたものはないようです。そこで今回は、あと施工アンカー大手メーカーの日本ヒルティ社が行うメーカー講習を全員で受講することとしました。

 なお、あと施工アンカー作業はコンクリートにドリルで穴を開けるため騒音が発生します。そのため午前中使っていた外部会議室では行えず、午後からは資材倉庫に場所を移し、慣れた雰囲気で実習を行いました。
  まずは、学科から。普段慣れているあと施工アンカーですが、笹子トンネル事故などの事例を聞くことで、施工不良の実例と影響を学ぶことになりました。

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事務所テレビで学科講習

 その後、屋外に出て実技講習。やり方はいつも通りですが、今回はヒルティ社の担当氏が最新式の振動ドリルを貸してくれました。実習は2班で行いましたが、最新式はとにかく早い! 現代の建設業は腕より道具と聞きますが、本当に施工スピードが違います。

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施工実習(最新式ドリル実演販売)


 事前打合せでは担当氏に「当日は営業厳禁」を申し渡していましたが、さすがに相手も商売人。あまりの高性能に、つい1台買ってしまいました。そのかわり、当社にある同社製の年代物工具について上手な延命方法を講師からレクチャーしてもらいました。

 なお、当日は6月入社予定の方にも講習に参加いただきました。決算変更に伴い新年度入社となりますが、いいかたちで事前の顔合わせと修了証の取得ができました。

おまけ
 今回の昼食は移動を伴うため各自としましたが、午前会場の鎌取コミュニティセンター隣の千葉市緑区役所は「役所飯」が有名です。

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定食550円、オーダー後調理


このボリュームでこの値段。サラリーマン当時の霞が関勤務時代に役所飯にはお世話になりましたが、故郷に名店あり。もはや「民業圧迫」レベルです。