10月12日(水)の停電で、対象地域の皆様は少なからぬ影響があったことと存じます。停電で仕事が全く止まった方、それまでのPC等での作業がすべて失われた方、道路信号や鉄道等の交通インフラも全て遮断され、改めて電気事故の影響の大きさを思い知らされましたね。原因はケーブル火災とのことですが、消防的には電気火災は消火に水が使えません。コードの劣化による電気火災はご家庭でも起こり得るので、ご自宅の消化器が電気火災に使えるか、この機会に確認してみてはいかがでしょうか?

さて、停電の瞬間、当社では都内某所でこんなことしていました。

LED街灯工事

LED街灯工事


LED街灯工事です。最近皆さんのご近所でも「小くて明るい」街灯、増えているのではないでしょうか?

私も現場立会いをしていましたが、細街路での工事でありご近所様への挨拶やガードマンの配置を済ませて作業開始。そして担当Y氏が配線を外して端末処理を済ませ、丁度錆びかかった古いポールを抜いている最中、事件は起きました。

街灯正面宅の奥様が「電気が切れて、冷蔵庫が止まったけど、、」。慌てて電力メーターを見ると、確かに止まっています。
続いてご近所さんが「電気止まったよ」、路地の向こうからは「ちょっと、何かした?」、さらに角の家からは「俺も電気工事屋だけど、夜勤のデータを打ち込んでいて全部飛んだぞ! 何やってんだ、お前らプロだろ!!」
皆さん、当然電気工事の事故で付近一帯停電した、と思っています。実際には、回路にヒューズがあり万一ショート(短絡)等の事故が生じても他に波及することはありません。しかしながら、我々としても他に原因が分からない以上、地下ケーブルがないか(上空に電線があるのでありえないけど)、外した電線がショートしなかったか(したら火花が散ってすぐ分かるけど)、当てのない点検を始めました。そのうちに各家庭が復旧し、とりあえず疑いは晴れました。
その後、スマホでニュースを確認すると、付近一帯3,000世帯程度が停電との速報でした。近所の皆さまには「疑ってごめんなさいね、でもタイミングが絶妙だったわね」と慰められました。当日はこの事件で作業員全員の心が折れてしまい、この街灯を最後として作業を打ち切りました。

最終的には延べ58万世帯が影響を受けたようですが、我々も停電の被害者、です。
皆さん、街で電気工事屋さんを見かけたら、優しくしてあげてくださいね。